テレワークを導入しないと、時代の流れに取り残されてしまうといった雰囲気が今の世の中にはあります。
当然、外出が自粛されている中で通勤電車に乗って職場に通うのは、非常にリスクが高いでしょう。
さらに、一時間近くの公共交通機関での通勤時間は私たちのメンタル面に決していい影響を与えることはなく、出社する頃には疲れ果てしまいます。
「さあ、これから仕事をしよう!」って時に、全くフレッシュな状態ではなく心身ともに疲れてしまっている状態ではないでしょうか。
目次
テレワークを導入する目的はポジティブなものにしよう
私も最近になって、テレワーク関連の記事を多く書かせていただいています。やはり、タイムリーでホットなネタではあります。
当然、世の中の経営者の方々や決裁者の方々にとっては関心のあるテーマだと思います。
しかし、「流行りに取り残されるから」「不要不急の外出を控えるように言われているから」といった理由で、テレワークを導入するべきではないと私は思います。
このような考え方の根底には、『本来は会社に全員が出社して仕事をするのが望ましいが、止む得ない状況である』というのが見え隠れします。
これでは、テレワークを導入しても効果は期待できませんし、テレワーク導入前よりもいいパフォーマンスを出せるはずがありません。
テレワークを導入する以上は、導入以前よりもいいパフォーマンスを発揮できるように努める必要があります。
捉え方1つで、導入後の結果が大きく変わってくることを私たちは理解するべきです。
在宅ワークだけがテレワークではない
テレワークについて、少々誤解している方もいらっしゃるかもしれないので、補足しておきます。
テレワークとは、在宅ワークに限定されるものではありません。
”テレ=遠く、ワーク=働く” 即ち、事務所から離れた場所で働くという意味になります。
これは、私たち個人レベルでは意外とやっていることかもしれません。営業マンが外出先でスマホでメールをチェック、返信したり、SFAなどのクラウドサービスに隙間時間にログインして、情報を更新したり、移動時間を有効活用して、文章や書類を作成したりと、様々な時間有効活用術として無意識のうちに行っているのです。
これを、”組織として体系的にやっていきましょう”ということになります。
つまり、在宅ワークだけがテレワークではないということを覚えておいて下さい。たまたま、昨今では、外出を控えるよう要請が出ているため、テレワーク=在宅ワークと定義されていますが、元々は違う意味になるのです。
どれだけ時間密度を高くできるかポイント
働き方における”特定の文化”が普及するには、”どれだけその恩恵を受けられるか”が重要なポイントになると私は考えています。
言い換えると、”なくてはならないものになるかどうか?”がポイントになります。スマートフォーンを導入した時のことを思い返してみて下さい。
今思えば、3G回線で使い物にならなかったスマホですが、導入することで、インターネットを持ち運ぶ文化が普及しました。
それに伴い、インターネットの閲覧やメールの返信がとても簡単になり、便利なアプリもどんどん普及しました。TwitterやFacebook、LINEなどのSNSが爆発的に普及し、ビジネスの現場でもコミュニケーションの速度が高まりました。
高性能のスマホが次第に発売されて、通信インフラが安定してきた頃には、ほとんどの人がスマホを所有し、時間効率化が進んできました。
スマホ普及以前は、例えば、ビジネスメールの確認は事務所に戻り、会社のパソコンを立ち上げて確認したり返信したりするのが当たり前でした。急ぎのメールなどを送った場合は、メールを送った後に電話が入り、「メールを送っておいたから確認してほしい」といった要請も普通にあったくらいです。
スマホの普及によって、端末で全ての情報を管理できるようになったため、時間密度が高まり、それが当然のものとして受け入れられました。
テレワークに関しても同じ考え方が適用されるものだと私は思います。
導入によって、時間密度が高まり、業務効率が上がり、生産性も高くなる。
これが本来の導入目的なのです。
どこでも仕事を出来る環境が整備されることで、無駄な帰社がなくなり、その分時間を有効活用することが可能なのです。
業務効率が高くなることが実証されれば、テレワークが当たり前の文化になると私は確信しています。
導入の目的をはっきりさせよう
冒頭に、「目的はポジティブなものにしよう」とお伝えしていますが、導入の目的をはっきりさせることがなにより重要です。
なぜ、テレワークを導入するのか?
どのような効果が期待するのか?
生産性がどの程度変わるのか?
これら目標とPDCAを上手に回すことで、定着と効果が高まるでしょう。
導入のきっかけは、”しかたなく”かもしれません。
急ではありますが、目的と目標を立てて、期待できる効果とその検証などを、しっかり検証することで、ポジティブなものにしていければ最高だと思います。
実施企業で効果に大きな違いが出る理由
小規模企業とテレワークは非常に相性の良いもののはずなのですが、意外と浸透していないのが実情です。
なぜなら、浸透していない企業は、目的や運用ルールを明確にすることができず、流行に流されてしまうからです。
一方で、テレワークが浸透している企業は、目的やルールが明確化しています。目的やルール作りは、とても重要な作業になるのです。
テレワークと上手く付き合うことで、新しい働き方、新しいビジネスの仕組みを手に入れることができますので、このタイミングでしっかりと考えてみてはどうでしょうか。