『PCの起動が遅い・・・』この手の悩みをお抱えの方は多いと思います。その時にはWindows高速スタートアップの設定をするという選択肢がありますが、この設定にはメリットとデメリットがあり、設定についても賛否両論ありますので、ご確認いただき「する/しない」の判断材料にしてみて下さい。
参考までに、私は高速スタートアップの設定を「有効」にしています。その理由はのちほど。
目次
Windows高速スタートアップとは
Windows高速スタートアップは、Windows8から追加された機能になります。導入目的としては、単純で『Windowsの起動を早くするため』になります。
これは個人的な見解で裏付けを取っていませんが、Windows8がリリースされた当時、Macbookなどが流行していました。Macbookはデザインや操作性もそうですが、起動スピードが早い点が非常に魅力的だったのを覚えています。Windows7の起動は遅く、ストレスを感じていた方も多いのではないでしょうか。そういった”ユーザの声”を反映した形として、この高速スタートアップ機能が追加したのではないかと予想しています。
高速スタートアップの特徴
この機能の特徴としては、とにかく起動時間が短縮することです。
起動時間が短縮する理由としては、C:ドライブ内に保存されている、「hiberfil.sys」ファイルにあります。
「hiberfil.sys」ファイルについては、以前記事にさせていただきました。
hiberfil.sys(ハイバネーションファイル)は休止状態が有効になっているパソコンをシャットダウンする際に、開いているプログラムの状態を記録したファイルです。
次回にパソコンを再起動する際に、hiberfil.sysは直接に読み込まれ、休止状態前の作業状態から早めに再開できるのです。
高速スタートアップと通常スタートアップでは起動手順が違う
PCの起動する手順をおさらいしておきましょう。
Windows高速スタートアップについては、そもそも起動手順が通常と異なるという特性を理解いただくとメリット・デメリットがご理解いただけやすいと思います。
手順の比較を表にまとめてみました。
通常スタートと高速スタートの起動手順の違いについて
通常スタート | 高速スタート |
---|---|
1:PCの電源を起動 | 1:PCの電源を起動 |
2:OSの読み込み/初期化 | 2:『hiberfil.sys』の読み込み |
3:ログイン | 3:ログイン |
4:通常画面表示 | 4:通常画面表示 |
2番目の手順が大きく異なることがお分かりいただけたかと思います。 『hiberfil.sys』の読み込みによって、初期化されていない状態、すなわち前回の保存状態から直接起動をおこなっているため、起動が早くなるのです。
通常の場合は、C:ドライブ内にあるOSを読み込んで、初期化してから起動されるため、どうしても起動時間に差が出てしまいます。
Windows高速スタートアップのメリット・デメリット
それぞれの起動方法に特徴があるように、Windows高速スタートアップにはメリット・デメリットがあります。
メリット
メリットについては、”Windowsの起動が高速である”ことに尽きます。
「とにかく、立ち上がりを速くしたい!」という方は設定を変更することをおすすめします。
デメリット
次にデメリットについてです。
デメリットについては、いくつかありますので内容を確認していただき判断して下さい。
- シャットダウンに若干時間がかかる
- BIOSが開かなくなることがある
- Windowsアップデートが正常に実施されない場合がある
- SSDの負担が大きくなりPCの寿命が短くなる場合がある
- USBや外付けHDDの認識がされない場合がある
このあたりでしょうか。
高速スタートアップについてGoogle検索すると、あまり良い評判が出てきません。とはいえ、個人的には、Windows10に切り替えてから一度も、上に記載されているようなトラブルに遭遇したことがないのです。。。
シャットダウンと再起動の違い
シャットダウンと再起動の違いについて説明します。
PCのトラブルに遭遇した場合の格言に「困った時の再起動」というのがあります。これは、非常に理にかなっていて、PCのスタートアップを一度初期化するため、リセットされた状態で起動します。
となりトラブルの原因になっている”何か”を取り除いてくれるのです。
再起動を実行した場合は、高速スタートアップを無効にした状態で起動するのと同じ意味があります。つまり、高速スタートアップはせず、OSの読み込み/初期化によって起動がされるのです。
また、再起動と同じような起動方法をシャットダウンによって実行したい場合は、「Shift+シャットダウン」を実行します。
これにより、完全シャットダウンがされて、次回起動時には通常スタートアップ状態で起動されます。
私の場合は、定期的なメンテナンスの意味を含めて、再起動や完全シャットダウンからの起動を実施しています。
それ以外では、通常シャットダウンで次回の起動時間を短縮するか、そもそもシャットダウンをせずにノートPCを閉じることも多いです。
要は、高速スタートアップが問題なのではなく、完全シャットダウン、再起動などの定期的なメンテナンスと起動の使い分けがきちんとできていれば問題はないのです。
とは言え、SSDへの負荷は通常よりも高まります。PCの寿命を最優先に考えている方は、Windows高速スタートアップ設定は控えた方がいいでしょう。
ビジネスの世界においては、そんな事言っている場合ではありませんね。バンバン時間短縮して効率化と生産性を高める手法を採用するべきです。
Windows高速スタートアップの設定方法について
ということで、「Windows高速スタートアップの設定方法」についてご説明していきたいと思います。
コントロールパネルを開いて下さい。
電源オプションを選択します。
電源ボタンの動作の選択をクリックします
このままの状態で「高速スタートアップを有効にする」にチェックを入れることができない場合は、『現在利用可能でない設定を変更します』をクリックしましょう。
高速スタートアップを有効にする(推奨)にちぇっくを入れて「設定の保存」をクリックします。
設定は以上になります。
Windowsの高速スタートアップは、適切なメンテナンスと状況に応じた起動をすることで、非常に有効な手段になり、業務効率も向上しますので、ぜひチャレンジしてみて下さい。