前回、VPC領域を作成してクラウド上に仮想のネットワーク環境を構築する手順をご紹介しました。
前回の記事『VPC領域を作成してクラウド上にネットワーク環境を構築する』
今回は、その作成したVPCを「サブネットに分割する」手順をご紹介します。
目次
サブネットとは??
前回、「10.0.0.0/16」のCIDRブロックを用意しました。
一般的に、割り当てられたCIDRブロックを、さらに小さなCIDRブロックに分けることができます。「10.0.0.0/16」をさらに細かく「/24」の大きさに分けて256分割してみます。
なぜサブネットを分けるのか??
サブネットに分割すると、サブネット単位でネットワークを分割することができます。そもそもなぜ、ネットワークを分割するのでしょうか。
物理的に隔離する
サブネットに分割することで、ネットワークを物理的に隔離することができます。例えば、事務所の1階と2階を別のサブネットで物理的に分けたいといった場合に有効です。
一方のサブネットに障害が発生しても、もう片方はその影響を受けにくくなるため、障害に強いネットワーク環境を構築できます。
セキュリティ対策
もう一つは、セキュリティの理由が考えられます。
例えば、経理グループとそれ以外のグループのネットワークを分けることで自由にアクセス出来ないようにすることが、オーソドックスなセキュリティ対策です。
社内にサーバがあるような場合は、「サーバ群だけを別のサブネットにしてデータの接続を制限する」ことをしたり、「インターネットに接続するサーバだけを別のサブネットにしてLANから隔離する」といった構成もよくあります。
VPC領域をサブネットに分割する
前回作成したVPC領域に対して、パブリックサブネットを用意します。
パブリックサブネットは、インターネットからアクセスできるサブネットです。一方でプライベートサブネットは、インターネットから隔離したサブネットとなり、この領域には一般的にDBサーバなどが配置されます。
パブリックサブネットの作成
それでは作成していきましょう。
VPCのダッシュボードを開き、サブネットをクリックします。
サブネットの作成をクリックします。
サブネットの作成画面が表示されます。
[名前タグ]には、「パブリックサブネット」と入力しておきましょう。
[VPC]には前回作成したVPC領域を選択します。※複数のVPC領域を作成している場合は、どのVPCに対応させるかを考慮したうえで選択して下さい。
[アベイラビリティーゾーン]については、「指定なし」で構いません。サブネットを初めて作成する場合は、どのアベイラビリティーソーンに設置しても関係ありません。
IPv4 CIDRブロックは、パブリックサブネットに使用する、「10.0.1.0/24」を入力します。
入力が完了したら、「作成」をクリックします。
サブネットが作成されました。サブネットIDについては、メモを取るなどして残しておきましょう。
ダッシュボードに戻ると、VPC領域内に「10.0.1.0/24」のパブリックサブネットが作成されているのが確認できます。
ネットワーク構成イメージ
ここまでのネットワーク構成イメージを図にしておきます。
リアルなネットワーク環境では、目に見えやすいためネットワーク構成のイメージが湧きやすいですが、仮想ネットワークになると急に難しく感じてしまうものです。
初期の段階から、構築したものをネットワーク構成図に書き出しながら”今、どの作業を行っているのか”を把握できるようにしておきましょう。
なお、作図ツールは、「draw.io aws作図ツール」が便利で使いやすいです。もしよければ使ってみて下さい。
まだ、VPC領域にパブリックサブネットを追加した状態ですが、次回以降、インターネットとの接続、プライベートサブネットの構築と進んでいきます。
それでは今回はこのへんで。